令和二年 報恩講が修行されました

今年は新型コロナウイルスの影響によりまして、報恩講は縮小開催となりました。全面中止の可能性もありましたが、献能(鎌倉能舞台)は八年目を迎えています。末永く継続していきたいという願いも込めまして、逮夜法要・献能のみの修行といたしました。

【天鼓】
後漢のことである。天鼓という少年が天から降ってきた鼓を持っていた。その鼓を打つと素晴らしい音がする。伝え聞いた皇帝は鼓を献上するよう命ずる。天鼓は山へ隠れてしまうが探し出され、呂水に沈められてしまう。その後、鼓は鳴らなくなった。そこで勅使が天鼓の父のもとへ遣わされる。参内して鼓を打つよう命ぜられ、子を失った悲しみのうちに鼓を打つ。すると、鼓は美しい音を出して鳴ったのである。皇帝は宝を与え、天鼓のために管絃講を行うことにする。『能楽ハンドブック改訂版』、三省堂2000年)