正しいお墓参りの作法
浄土真宗本願寺派の墓参作法
亡くなられました方は、どなたも阿弥陀如来のはたらきによりまして、浄土の世界へ往生されています。したがいまして、墓に住まわれているということはなく、墓はあくまでも私どもにとっての拠り所であり、学びの場でもあるのです。
墓へ参ることを通じて亡き方を偲び、その歩みをあらためて振り返ったり、その方との交流を思い起こすことにより、自らの「生死」を見つめる機会を得ることができます。そして、ともに浄土へ救われていく身であることを知らされ、感謝のうちに人生を過ごすことができるでしょう。
墓に参りましたら、まず、墓前で一礼し、できれば墓石や周囲を清潔にいたします。そして、花や供物を上げまして、最後に線香を上げるようにいたします。周囲に漂う花の香りや線香の香煙は、何ものにも遮られることのない、阿弥陀如来のはたらきを表現したものです。
こうした準備が終わりましたら、墓前に向かって合掌し、「南無阿弥陀仏」とお念仏申しましょう。阿弥陀如来を礼拝するとともに、亡き方を思い、心で通じあう時を得ていただきたいと思います。なお、亡き方は阿弥陀如来によって救われ、今、浄土の世界におられます。地獄等に落ちていることは決してありませんので、喉の渇きを癒すため墓石に水をかけることはいたしません。