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夫婦墓とは
高齢化社会の進行と核家族化、この二つの社会的課題が、それまで家という形に支えられてきた先祖供養そのものの在り方を少しずつ変化させてきています。
数世代が一緒に暮らす家が都市部を中心に少なくなり、夫婦と子供だけ、または夫婦ふたりだけが同居者という家族構成が増える中で、ひと昔前であれば同じ家で暮らす「家族」であったような関係でも、いつの間にか物理的な距離がその関係を「親戚付き合い」化させ、何か一段階遠いものになってしまっている家も少なくないのかもしれません。
家のお墓、とよく言われますが、そもそも、そのひとつひとつを構成している人の数が少なくなってきてしまっている近年、それに合わせてお墓もまた小さなものとなっていく傾向がどうしても見られます。そして、とりわけ子供が巣立っている、もしくは子供がいないといった場合の夫婦ふたり暮らし家庭において、様々な事情から家としての後継者がいない時、永代供養の中で特に夫婦墓という選択肢が選ばれる機会も目立つようになってきています。
定年をむかえて、夫婦ふたりでのんびりとした生活を楽しみながらも、先のことを考えて終活を始める方も年々増えてきています。ただ、エンディングノートなどを使ってまとめる事柄の中で、まず考えるのは自分たちの葬儀をどうしよう、お墓をどうしよう、ということになってくることがほとんどでしょう。終活で考える大切なことがらのひとつですが、家には跡継ぎもいないし、年回法要もお願いできないから永代供養が良い、だけれども見ず知らずの方と一緒のお墓と思うとどうしても考えてしまうという方も実際多く、夫婦墓という選択がなされる理由となっています。それにこの先、夫婦のどちらかが先に旅立ってしまうだろうけれど、たとえ夫婦そろって同じお墓にという希望をエンディングノートに残しておいたとしても、最終的には亡くなった後、誰かにそれをやってもらわなければならなくなるので、しっかりと専用のお墓を予め用意しておけばより安心できることでしょう。
このような希望に応える形で、「夫婦墓」というものが近年注目されてきています。夫婦墓とは跡継ぎの心配がなく、寺院が年回法要を遺族に代わって執りおこなってくれる永代供養墓のひとつで、生前共に人生を歩んだ夫婦が、その形のまま、予め用意しておいた夫婦専用のお墓(夫婦墓)に入るというものです。こうした希望の場合、終活において実際に自身で手配した葬儀に関する内容や希望をエンディングノートに、誰に何をお願いしたいかということも含め、しっかりと記載した上で夫婦墓の手配までも済ませておくと、夫婦として安心できる永代供養の準備と考えられるでしょう。
このように、永代供養墓のひとつとして広まってきている夫婦墓ですが、形としては納骨塔タイプ、納骨陵タイプや、ロッカーのような形式になっている納骨堂タイプ、納骨廟タイプといった合葬式のものよりも、小型でも石塔を独立して建てるタイプや、樹木葬などでもある様に石碑を一つの区画に並べた集合墓タイプなど、個別タイプ(家で言うならば一戸建てタイプ)の永代供養墓が夫婦墓として選ばれる場合が多い様です。夫婦だけでひとつのお墓に、という需要の高まりに応える形で発展してきた形式と言えるでしょうが、今後さまざまな形の夫婦墓がさらに増えてくるかもしれません。